大判例

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東京高等裁判所 昭和34年(ネ)1747号 判決

控訴人らは、本訴は被控訴会社の無限責任社員の一人で代表社員たる大貫記一が会社を代表し、他の一人の無限責任社員で業務執行社員たる控訴人富田真輔を相手方として提記する訴訟であるから、その訴の提起は被控訴会社会社定款第十三条に定める「会社の利害に関する重要な行為」に該当し同規定により総社員の同意を要するところ、本訴はその同意なくして提起されたのであるから無効であると主張する。しかし合資会社(被控訴会社は合資会社である)の代表社員は会社の営業に関する一切の裁判上、裁判外の行為をなす権限を有し、本件訴状及び記録中の登記簿抄本に徴すれば、本訴は被控訴会社の代表社員である大貫記一が同会社の営業に関し会社を代表しその権限に基き提起したものであることが明らかであるから、本訴提起はもとより有効であつて、よしんば被控訴会社の定款第十三条に控訴人らの主張のような定があり、かつ本訴の提起が同規定にいう総社員の同意を要する重要な行為に該当し、したがつて代表社員大貫記一において会社を代表して本訴を提起するためには総社員の同意を経る必要があつたのにかかわらず(出訴につき総社員の同意を要することとなる点において代表社員の代表権に対する一種の制限と認められる)その同意を得ずに本訴を提起し右定款の規定に違反したものと認むべきものとしても、そのことによつて或は同人が会社に対し任務違反による責任を負うことのあるのは格別、単なる私法上の行為と異つて裁判所に対し審判を請求する本訴提起の効力には影響はないものというべきである。

(川喜多 小沢 位野木)

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